某退職代行サービスの担当者によると、ある年の退職代行利用者は、前年と比べて10倍も増加したとのことです。
この急増の背景には、インターネットやSNSを通じて情報が広まり利用しやすくなっていることや、職場とのミスマッチ・メンタルヘルス問題があり終身雇用が崩壊しつつあるこの日本で、労働環境の悪化や転職がレアケースではなくなってきている状況が影響していると思われます。
最近の調査結果では、全国の20~30代の会社員男女の内、約8割が退職代行サービスの存在を知っていることが分かりました。
この認知度の高さも、ここ数年で圧倒的に伸びています。
残念ながら、年代が上がるにつれて認知度は差が下がっていく結果となっているのですが、働き盛りで転職のチャンスが多い若者は、退職についての意識や興味が他の世代よりもあり、SNS等で実体験が話題になっていることから広まったと考えられます。
この10年で一気に認知度を高めた退職代行ですが、今後も更に広まっていくと考えられています。
というのも、サービスが始まった当初は「退職代行なんてありえない。」、「他人に任せるなんて非常識だ。」との厳しい声が多かったのですが、今では退職代行を使うまでに至った経緯を聞くと肯定的な意見も多く、そこまで偏見の目で見られることは少なくなってきています。
年代別で見てみますと、利用した人のうち20代前半の男性が約4割、そして20代前半の女性も約4割となっており、利用者の多くが20代という結果となっています。
男女別で見てみると、男性の場合は利用者の7割が20代となっていて、社会人10年以内での利用が多いことが分かっています。
しかし、女性の場合は利用者の6割が20代ですが、30代からのニーズも多いことが分かっています。
更に上の年代になると、パワハラを受けていることを我慢しがちであったり、家庭を持ち、生活が不安定になると困る世代であることから、今さら転職しないと答える方も多いようですが、昨今では独身者が増えていることから、今後30代以降の利用者が増えることも予想されます。
今、職場を辞めたいと考えている方々のアンケートでは、退職する際に退職代行サービスを使用する予定だと答えた割合が2割、もしかしたら利用するかもしれないと答えた方が2割5分でしたので、半数近くの方々が退職代行の利用者予備軍ということになり、これは退職方法の主流となる日もそう遠くないのかもしれません。