民間企業に勤めている方々の例ばかり取り上げられていますが、中には公務員の方で退職代行を利用したいという方もいらっしゃることでしょう。
安定している職業であるとはいえ、別の仕事でキャリアアップをしていきたいと思っている方、残業が多く急な呼び出しがあるため気が休まらないという方・・・
公務員と一口に言っても、国家公務員、警察官、消防士、教師など様々な職業があるので、退職理由もそれぞれありますよね。
結論として、公務員が第三者に退職代行を依頼することは禁止されていないため、退職代行自体は利用できます。
しかし、利用には注意が必要です。
その理由として、まずは労働組合ではなく職員団体に所属している点が挙げられます。
民間は、民法第627条に「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申し入れをすることができる。この場合において、雇用は解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する。」とありますが、公務員の退職に関する規定は民法に加え、国家公務員法・地方公務員法といった法律により、「職員の休職、復職、退職及び免職は任命権者が、この法律及び人事院規則に従い、これを行う。」とあり、プラスαの一定の手続きが必要となるため、一般的な退職代行サービスでは対応の制限があるのです。
また、公務員を管理する国や地方自治体側も「面識・信頼性のない第三者」である代行業社からの連絡は断るケースも考えられます。
それに加えて、自衛隊の方は希望日に退職できない可能性がある点も挙げられます。
規定により、「職場側が任務に支障がでると判断した場合は、職員の退職時期を遅らせることが可能」という内容になっているからです。
以上の規定から民間の退職代行業者側も対応が難しく、断られてしまうケースもあります。
公務員の場合、まずは直属の上司に退職の旨を伝えることが一般的で、公務員の風習として仲介の管理職が事前に退職者を説得する決まりになっている職場もあるほどです。
とはいっても、退職する理由が心身の不調等が原因である場合はコミュニケーションをとること自体が困難と言えます。
そのような場合は、弁護士の退職代行サービスが良いでしょう。
法的根拠に基づき退職に関する大半の業務に対応しているため、公務員の方でも安心して利用することが可能です。
民間の退職代行サービスの運用形態は様々で、細かな法の整備がなされていません。
公務員の方は特に、利用を控えた方が良いでしょう。